昨年11月26日、民謡とドラムの和と洋のドッキング・コラボの初めての試みが横浜のジャズライブ・クラブのking’s Barで開催されました事は既にこのブログにご紹介致しましたが、始めてご覧下さる方は少し前のブログをご確認下さい。
本格的な民謡の唄声に三味線と尺八・笛は見慣れ聴きなれた光景ですが、和太鼓がドラムに替わった事による何とも言えない絶妙な心地よい民謡が民謡ファンに受け入れられ、また、こう言うジャズがあってもいいよねというジャズファンの心に民謡が入り込めて、とにかく大盛況で終了致しました。
が、直後から次のライブ公演のリクエストが多々寄せられ、当事者たちには喜びの当惑顔で検討がなされました。
少し間をおいて3月4日(日)の昼間が決定され、ご案内をした所、たちまちの満席申し込みで締め切りとさせて頂きましたが、その後も申し込みが絶えませんでしたので、急遽、2月24日(金)の夕方に追加公演が決定されました。追加公演の方が早い時期という妙なライブ公演になりましたが、両日とも満席で当日を迎える嬉しいライブとなりました。
ライブ公演のフライヤーも急遽2回公演に作成しなおしてのご案内になりました。

ところで、民謡Grooveと言うユニット名の意味を聞かれる事がありますが、Groove(グルーヴ)と言うのはジャズやロックの音楽では「乗り」を意味していますので、「民謡でノリノリ」という意味になり、ユニットのリーダーのドラマー・かたぎり聡先生の命名によるものです。
ここでは第二弾の追加公演も総括してご案内致しますので、予めご了承下さい。
king’s Bar入口に民謡Grooveのフライヤーがお店のお客様にご案内しています。

ファンから贈られた花束が入口に・・・

ステージにも・・・



さあ! 開演時間です!
民謡Grooveのリーダーのかたぎり聡先生のご挨拶からのスタートです。

千草先生による最初の民謡曲は熊本県の「牛深ハイヤ節」でしたが、最初に唄う曲に決めた理由を民謡の礎になる曲だからとの解説をして頂きました。
唄われた後、千草先生からメンバーのご紹介がありました。
津軽三味線「小山竜浩師匠」、笛・尺八「三枝寿童先生」、お囃子「梶原麻梨乃さん」と「梶原実乃梨さん」、唄「武花千草先生」、ドラマーでユニットリーダーの「かたぎり総先生」。
さて、次の2枚の写真のうち、上の写真は第二弾目のライブの時のものです。お着物にご注目を頂きながら、その下の第三弾目のライブの時のお着物をご覧下さい。


千草先生のお着物の違いにお気づきと思いますが、第三弾のライブのお着物は、お母様であり民謡武花流家元の武花烈子先生がお若い時にお召しになっていた時のものを引き継いでお召しになっているとのこと、そして当日はご両親様もお出でになられていらしたので、何とも心温まる親孝行ほっこり物語が唄に添えられました。





第一部で紹介された唄は「牛深ハイヤ節」に続いて、宮城県の民謡「大漁唄い込み」、茨城県の「潮来音頭~潮来甚句」、島根県の「しげさ節」、そして磯節シリーズとして地方で唄われると同じ磯節でもこの様に変わるという面白いご紹介を頂きました。
茨城県の「磯節」から長崎県の「五島磯節」、そして岩手県の「南部磯節」がご披露されました。歌詞の中で同じ言葉が聴かれても、曲は全く別物であることにある意味での感動を受けましたが、民謡が言葉の通り民の謡(唄)である証であり、その土地に受け入れられ、馴染んで定着してその土地の唄になって広がって行くことが納得できました。
そして、次の曲のご紹介が何と、何と、何と、「テネシーワルツ」とは! 以前、ある記念ライブコンサートで千草先生が民謡の合間に初めて歌われたテネシーワルツがとても魅力的で会場にお越しのお客様が涙された方がおりました。
今回の民謡Grooveにその方の思いにお応えすべくこの曲を加えて頂くことになりました。編曲はドラマーのかたぎり先生がなさいましたが、元々はワルツの曲をいかに原曲を生かしながら民謡風にするかとても悩まれたそうです。
津軽三味線の竜浩師匠も津軽民謡と勝手違いのジャズ風のアレンジのリズムとテンポにご苦労をなさった様ですが、寿童先生の魅惑の笛のメロディーに乗せて千草先生が歌うテネシーワルツは、味わいのある日本生まれのテネシーワルツに変わっていました。
第一部のトリの曲はお賑やかに群馬県の「八木節」でお客様は、それこそノリノリのお手拍子で大盛り上がり! ドラムがノリに合せて煽る連打に大興奮のうちに第一部終演を迎えました。
休憩時間になりましたが、演奏中の興奮状態のままお客様は飲み物を注文。第一部の話題を肴に談笑と感動でお店の中がお賑やかに。
第二部の開演です。
ジャズのライブでは、幕開けは歌で始まらず、そのライブで演奏するミュージシャンの楽器演奏(楽器は英語でinstrument=インストウルメントで略してインストと表現)、つまり通称インストが演奏されました。
曲は富山県の民謡「こきりこ節」です。こきりこ節は本来ゆったり流れるような独特な曲調ですが、竜浩師匠がジャズ風を意識してアップテンポに編曲し、とても激しい手の動きでノリの良いこきりこ節に変貌させました。それをかたぎり先生がドラムで更に一層ノリを利かせての演奏は圧巻で、しかも、普通の民謡であり得ないジャズの演奏で聴かれるドラムソロを挟んでの「こきりこ節」を初めてお聴きなったお客様がすっかりと「こきりこ節」をお気に入りにされた方がとても多くいらっしゃいました。
千草先生の唄声は専属契約に制約されてブログにご紹介できないのが残念ですが、写真の流れをご覧になりながら曲をご想像願います。
また、インスト演奏の一部分につきドラマーのかたぎり先生がご自分のインスタグラムにドラムソロ部分をご紹介されていますので、演奏の途中で竜浩師匠の三味線と寿童先生の笛の音色もご一緒にほんの一部ですが、ご堪能ください。

千草先生は神奈川県のご出身なので神奈川メドレー曲として「ダンチョネ節」、「チャッキラコ」、「野毛山節」をご紹介致しました。ダンチョネ節は歌謡曲でも歌われていてかなり馴染みのある曲ですが、神奈川県の民謡とご存じでない方も多くおられました。

続いて青森県の「ホーハイ節」は全国の民謡の中でも特徴的であり、ホーハイと唄うところの「ホー」がとても高い裏声を使うのが他の民謡との違いです。どうやらアイヌの唄の影響があるのではないかとの説もあるそうです。
シリーズものとして「島唄」がご披露されました。東京都八丈島の「八丈ショメ節」、同じく東京都の神津島の「神津節」、そして沖縄県の八重山諸島の竹富島の古謡の「安里屋ユンタ」。安里屋ユンタをご存じの方は多くいらっしゃいましたが、八丈ショメや神津節は初めてという方が殆どでした。また、ショメショメとのお囃子の入る八丈ショメのショメは潮目が転訛したという説もあるとの事でした。
2月24日のライブで紹介された茨城県の「潮来音頭~潮来甚句」は3月4日のライブでは高知県の「よさこい節~よさこい鳴子」に変更されました。特に「よさこい節」は、ペギー葉山さんが歌われた「南国土佐を後にして」の挿入歌として全国に知れ渡った有名な曲ですね。
さて、次は何かなの期待を続けているうちに、何とも悲しい「次が最後の曲です」の言葉。その暗い雰囲気を打ち消すようにお賑やかに熊本県の「おてもやん」が早口のお国言葉で唄われてノリノリに!
唄い終えて一礼のご挨拶のあとに、何と!民謡ステージではありえないアンコールの拍手に手が変わりました。声も聞こえます。
アンコール! アンコール! アンコール!!!
アンコール曲は楽しく、めでたく、ノリノリの青森県の「南部俵積唄」が演奏されましたが、ステージと客席が一つになっての大盛り上がりで盆と正月が一緒の宴会会場の様でした。
アンコールの途中に改めて千草先生よりメンバーのご紹介がありました。
津軽三味線「小山竜浩師匠」、笛・尺八「三枝寿童先生」、お囃子「梶原麻梨乃さん」と「梶原実乃梨さん」、唄「武花千草先生」、ドラマーでユニットリーダーの「かたぎり総先生」。
いやはや楽しかったです!!!
記念の写真撮影です。3月4日のライブには竜浩師匠と千草先生のご両親様もステージに上がられてご一緒にパチリ!
2月24日のライブ

3月4日のライブ

後列左から梶原実乃梨さん、かたぎり聡先生、武花千草二代目会主、三枝寿童先生、小山竜浩i師匠
何と!終演後に既に第四弾はいつ? の声が聞かれました。Groove会議の結果、本年8月6日(日)の午後(多分第三弾と同じ時間帯)に同じ場所のking’s Barにて開催が予定されました。
決定され次第に皆様にお知らせを致しますが、竜浩会のホームページにもご案内致しますので、時々はご確認くださいね!