第34回 秋田民謡普及協会年次大会

5月28日(土)前日の荒れた風雨の悪天候が一転しての初夏を思わせる好天気に恵まれ、秋田民謡大会が開催されました。通常、毎年が恒例行事でしたが、コロナウイルス感染拡大の影響により過去2年間は自粛により開催が中止されておりました。

主催者や関係各位そしてご出演の皆様もようやく待ちに待った日であったに違いない事が楽屋の雰囲気に漂っており、開演前の人の動きの活気がそれを物語っておりました。

開演ベルが鳴り、大会副実行委員長の開会の言葉に続き、「唄コンクール第1部」が始まり、出演登録者32名により次々と自慢の喉をご披露していきました。出演者が変わるたびに伴奏の三味線、太鼓、尺八などの演奏者も入れ代わり立ち代わりで、お客様には舞台鑑賞の醍醐味の一つになった事でしょう。

秋田船方節
本荘追分

第一部に続き、「支部推薦 1」のコーナーでは(傘寿の部)として長年にわたり民謡と共に歩まれた方たちのご出演は、唄あり、踊りありで民謡ならではの舞台でした。

踊り「剣囃子」(けんばやし)

続く、「山形唄めぐり」は唄と踊りで気持ち軽やかに巡るという趣向を凝らしての演目で、武花会二代目会主の武花千草先生の唄と津軽三味線・小山竜浩師匠と尺八・三枝寿童先生の伴奏で華やかな明るい舞台となりました。その様子を舞台袖からチラ見・・・

さて、舞台は「唄コンクール第2部」に移り、出演登録者34名によって次々と秋田民謡いろいろが唄われました。

長者の山
酒屋仕込み唄

このコーナーにご出演の全員が唄い終わった所で舞台はお昼休みとなりました。通常、舞台は次々と幕替わりで続くものですが、コロナウイルス感染拡大の影響を受けて楽屋で食事ができないために全体がお昼休みとなりました。

と、という事で予約済みのご近所の中華料理屋さんへと移動。移動中の皆さんの足の軽い事といったら・・・(笑)

お店についてからの皆さんのご様子をご紹介致しますね!

武花流お家元の烈子先生と二代目会主の千草先生の母子ツーショット! お二人ともいい笑顔をしていらっしゃる!!

マスク美女軍団4人組
おじさんの中に紅一点
これぞ美女軍団! 空腹をこらえての笑顔づくりが・・・お疲れ様です!

さて、楽しい食事の談話もひとしきりであっという間に楽屋入りに。帰り道はランチが美味しかったことなど、お店で過ごした時間に後ろ髪が引かれているご様子。

お昼休みの後の最初の舞台は、「支部推薦 2」(わらべの部)で始まりました。可愛らしい子供たちの唄4組と踊り一組が舞台を和らぐ一幕になりました。(写真がなく残念です😢)その後に7組の社中による踊り、合唱が披露されました。

(太鼓)道中踊り

続いて「唄コンクール第3部」が登録者33名によって次々と秋田民謡のオンパレードが続きました。それにしても、日本は民謡の宝庫とは言え秋田の民謡の多さにはびっくり致します。正確な数は分かりませんが、推測ながら、恐らく一番民謡の数が多いのが秋田ではないでしょうか。

秋田馬喰節
秋田船方節
能代舟唄
秋田おはら節

唄コンクール第3部のご出演者全員が唄い切ると秋田民謡普及協会会長であり、民謡武花流家元の武花烈子先生のご登壇。

第33回大会優勝者による総合優勝杯返還の儀式が執り行われ、その後に烈子先生による笑顔のご挨拶がありました。

優勝杯の返還
ご挨拶

会長のご挨拶の後は、「キッズ全員集合!」(民謡好きな子 あ・つ・ま・れ)のコーナーに移りました。いや~! 出てきた! 出てきた!  民謡好きな子供たちの勢揃い!!

こきりこ節

可愛らしい唄声の余韻を残して舞台は、最後のコーナーの「唄コンクール第4部」へと移りました。出演登録者22名による秋田民謡のいろいろな唄声が会場に広がり、体を揺らすお客様、軽く手拍子をする人、など民謡風景が見られました。。

秋田小原節
秋田長持唄
秋田タント節

第4部最後の方の唄声に続き「支部推薦 3」のコーナーへ。3組の唄と2組の三味線演奏と尺八・横笛の演奏が披露されました。

郡上節・川崎・春駒

次のコーナーは秋田民謡の課題曲のコンクールです。参加人数が多数なので前半戦と後半戦に分けられました。前半戦は登録者数33名によって「秋田おばこ節」をワンコーラス唄い切りで審査して頂くという趣向です。

秋田おばこ節

次々と人が変わり、キーも変わり、男性と女性が唄う味の違いなど、それぞれ異なる唄声が同じ唄なのに味わいの異なる唄に聴こえるのが民謡の妙というものでしょうか。

続いて「支部推薦 4」のコーナーへと。3組の唄と2組の合奏が披露されました。

秋田荷方節
津軽じょんがら節

演奏は次の動画でお楽しみください。

竜浩会社中による演奏

続いて課題曲コンクールの後半戦です。登録者31名によって秋田おばこ節が次々と唄い継がれて全員が唄い終わると会場は秋田一色の感じになりました。

舞台袖から演奏者をパチリ

後半戦31名が唄い終わり、全てのコンクールが終了となりましたので次のタイトル戦に移りますが、その前に「支部推薦 5」のコーナーに舞台は変わります。

4組の唄がご披露され、タイトル戦となりました。結果は最後に発表されますので、集計の間は「ゴールデンショー」で会場を秋田色に染めるという趣向です。

そのタイトル通りに燦然と輝きを増す秋田民謡のベテランの唄い手とプロの民謡歌手による唄声が舞台から会場いっぱいに秋田色に染めて行きました。

秋田大黒舞
飴売り唄
秋田草刈唄
秋田追分
祝奉節
秋田馬方節
秋田港の唄

ゴールデンショーの唄声に魅了されている間に集計も終わり、各部門の入賞者の発表があり、今期大会の優勝者が発表されました。

優勝者に優勝杯と賞状が授与されました

にこやかにも厳かな表彰と授与式が執り行われ、閉会の辞が述べられて無事に大会がお開きになりました。

朝の10時に開演され、終演が18:30分頃と長丁場の大会でしたが、2年間の大会自粛という窮屈に縮められた気持ちの解放感が大会への参加者に満ち溢れてましたので、個々の皆さんへの時間的配慮をするとどうしても長丁場になるのは当然のことだと思います。

言い換えれば、日本人の心には民族的なDNAの中に民謡を愛する感覚や感情が無意識に根付いている証ではないかと思います。民謡大好きキッズが増えてきている事、また、コンクールにご参加の今風の若者がこぶしを回して唄っている姿を見ると、実にそう思います。

末筆ながら、長丁場の大勢の参加者に対して真剣に審査をして下さった審査員各位に深く感謝を申し上げますと共に大会の開催及び維持と継続に日々ご苦労を重ねて下さる各位に労いを申し上げますと共に次の大会も宜しくお願い申し上げます。

おぎに‼